春が急いでいる。

春が急いでいる。
薄いベールがかかったような空も
表面に氷の層を作った雪原も
白い光を受けて目を細めたくなるほど眩しい。

屋根に残っていた雪がぽたぽたと落ちる。
顔を出した地面からは、すこし湿った土の薫りがする。

春がどんなに急いでいても、その季節の変わり目をちゃんと見ていたい。

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 春がせっかちなのか、冬が潔いのか、北国のこの季節は、雪解けとともにどんどん先へと進んでいきます。
 うっかり置いて行かれそうになるのは人ばかりで、少し前から土は薫り、新芽は膨らみ、鳥のさえずりは大きくなり、小川のせせらぎが、間近に聞こえるようになっていることに気づきます。
 桜が咲くのはまだ先になりますが、やはり人も春が来るのを待っていて、興奮を抑えきれずに、少し慌てて春の準備をするのかもしれません。

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「となりにちょっと暮らしてみる」

ゴーシュRIN(宿ときどき珈琲店)
http://www13.plala.or.jp/gauche/

はなれで暮らすように滞在する、
そんな時間を過ごしていただけるような場所を
作りたいと思っています。